2013年11月29日金曜日

第4回研究医養成コースセミナーを開催しました。

11月20日(水)小教室において、第4回研究医養成コースセミナーを開催しました。
当初の予定通り、 米国Vanderbilt大学からPeng先生をお迎えして、初めて外国人による英語のプレゼンテーションの形で行なわれました。
登録コース学生5名を含む計18名の参加者は熱心に聴講し、講義終了後には英語での質疑応答が交わされました。




 

2013年11月25日月曜日

第103回支援センターセミナー開催のお知らせ

 第103回支援センターセミナーを、下記の通り開催致します。


 ■ 演 題: Global analysis of long-range genomic interactions
        that orchestrate lymphocyte cell fate

 ■ 演 者: Cornelis Murre
      (Professor of Biological Sciences, University of California, San Diego)

 ■ 日 時: 平成25年12月9日(月)16:00〜17:00

 ■ 場 所: 基礎研究棟2階 教職員ロビー

<講演要旨>
It is established that chromatin domains or globules are localized in either
transcriptionally repressive or permissive compartments.  Here we use genome-wide and computational strategies to characterize chromatin domains during B cell development.  We find that domains in the transcriptionally permissive compartment are highly enriched for transcription factor occupancy, euchromatic epigenetic marks, and SINE elements whereas those in repressive compartments are primarily associated with LINE-rich regions.  The transcriptionally permissive compartment spatially segregates into distinct sub-compartments, enriched for either H3K27me3 or H3K4me2.  We identify distinct classes of anchors, including CTCF and E2A, which act at different length scales and are closely associated with intra-domain and/or inter-domain interactions.  We find that relocation of chromatin domains during developmental progression is closely linked with changes in lineage-specific programs of gene expression and large-scale remodeling of chromatin topology.  We propose that the repositioning of chromatin domains and changes in domain topology underpin the mechanism by which a B-lineage specific program of gene expression is established.

Murre博士は、抗体遺伝子エンハンサーに結合するE2A転写因子を発見し、E2Aに存在するHelix-Loop-Helixドメインを始めて同定されました。以来、E2Aとその抑制因子であるId等による血球分化の研究で世界をリードして来られました。今回は、高次染色体構造変化によるB細胞の分化制御について、最新の知見をわかりやすく紹介していただきます。

参考文献:Cell 133: 265, 2008, Nat. Immunol. 12: 992, 2011, Nat. Immunol. 13: 1196, 2012

連絡先:生化学・分子生物学講座 分子生理化学部門 縣 保年(内線2156)



◆このセミナーは生化学・分子生物学講座 分子生理化学部門・実験実習支援センターの共催で開催いたします。

◆このセミナーは大学院博士課程の講義として認定されています。


※「第103回支援センターセミナー開催のお知らせ」より転載。

2013年11月20日水曜日

第102回支援センターセミナー開催のお知らせ

第102回支援センターセミナーを、下記の通り開催致します。
 

 ■ 演 題: 質量分析を利用したアセチルコリン局在の可視化について

 ■ 演 者: 矢尾 育子(浜松医科大学メディカルフォトニクス研究センター、
        基盤光医学研究部門 光イメージング研究室准教授)

 ■ 日 時: 平成25年12月3日(火)17:30~

 ■ 場 所: 基礎研究棟2階 教職員ロビー

<講演要旨>
 神経伝達物質は神経シナプス間の情報伝達を担う。主要な神経伝達物質のひとつであるアセチルコリンは、副交感神経や運動神経に働きかけ、学習・記憶、睡眠などにも深く関わっている。パーキンソン病やアルツハイマー病などにおいても、アセチルコリンの存在量が症状に大きく関わると考えられている。
 我々は、神経活動状態や疾患の病態メカニズムを理解する目的で、組織内のアセチルコリン局在の可視化を試みた。従来の検出方法では、アセチルコリンの受容体や分解酵素に対する抗体を用いた間接的な手法が一般的であったが、今回我々はアセチルコリンそのものを直接検出する手法として質量分析(mass spectrometry; MS)を利用する「質量分析イメージング法」を用いた。質量分析イメージング法は、二次元的に質量分析を行い、得られた質量分布を再構築し、画像化する手法である。組織切片上でレーザーを走査しながら直接各点の質量スペクトルを得ることで、物質の質量情報と位置情報の同時取得が可能となる。
 脊髄および脳切片の質量分析イメージング画像から、アセチルコリンは脊髄前角においてはコリン作動性運動神経細胞の細胞体、脊髄後角および脳では神経終末に多く検出されていることを確認した。さらに、本研究で直接検出された神経伝達物質の局在は、他の間接的手法で検出された過去の報告と比較し整合性があるものであった。特に分解酵素(アセチルコリンエステラーゼ)の産生細胞の局在と一致したことから、質量顕微鏡法で検出されたものは神経終末に局在するアセチルコリンであることが示唆された。質量顕微鏡法はアセチルコリンをはじめとする神経伝達物質の組織内分布の可視化に有用と考えられる。


◆このセミナーは分子神経科学研究センター・実験実習支援センターの共催で
 開催いたします。

◆このセミナーは大学院博士課程の講義として認定されています。




※「第102回支援センターセミナー開催のお知らせ」より転載。

2013年11月1日金曜日

 第101回支援センターセミナー開催のお知らせ

第101回支援センターセミナーを、下記の通り開催致します。
 
 ■ 演 題: 認知症の最近の話題と課題

 ■ 演 者: 遠藤 英俊(国立長寿医療研究センター内科総合診療部長) 

 ■ 日 時: 平成25年11月12日(火)17:00~

 ■ 場 所: 基礎研究棟2階 教職員ロビー

<講演要旨>
 認知症の最近の話題としては疫学調査の結果より、認知症の数が15%、
そしてMCIが13%を占めているということである。研究の立場からいえば、
MCI due to ADやpreclinical ADをどうやって早期診断するか、そして告知
を含めどのように対するかが最大のテーマである。その過程でリン酸化タ
ウの画像化が日本において可能になったとの報告もあり、今後の早期診断
の分野で注目されている。基礎的データを収集するという点ではNEW ADNI
研究も注目されている。今後さらに3年間の縦断的な研究の成果が待たれる。
 また臨床ではどのようにアルツハイマー型認知症を早期診断し、どうよ
うに治療するかも重要な課題であり、今後認知症の人を「地域包括ケア」
の大前提のもとにどう手当てしていくかが問われている。また政策的には
オレンジプランが今年度より開始され、薬物ガイドランの作成や、病院に
おける医療従事者の研修も開始されているところである。本講座において
はこうした認知症のトピックスについて、紹介する予定である。


◆このセミナーは分子神経科学研究センター・実験実習支援センターの共催で
 開催いたします。

◆このセミナーは大学院博士課程の講義として認定されています。


※「第101回支援センターセミナー開催のお知らせ」より転載。