2016年6月6日月曜日

第23回コースミーティングを開催しました。

演 題: 
① What is Subclinical Inflammation ?
② Mild Rising of White Blood Cell count Predicts future Cardiovascular Disease ?


演 者 : 沢尻 修司(第5学年)

発表要旨:
①感染や外傷がないにも関わらず、白血球数や炎症性サイトカインが少し増えている。

そういった状態を不顕性炎症 (Subclinical Inflammation) と呼んだりします。
そして、不顕性炎症は2型糖尿病・狭心症・うつ病といった、世界的に多くの人が罹患し健康・財政上の問題となっている慢性疾患、その病態と深く関係していると考えられています。
 

②現在、得られている成果
(i) 『白血球数が高い人 → 将来、循環器疾患になりやすいか?』
(ii) 『白血球数・糖化ヘモグロビン値がともに高い人 → 将来、循環器疾患にな
りすいか?』

(i) を検討した結果は、世界的には肯定的であったり否定的であったりします。
NIPPONDATA90 では、(i) に対しては否定的な結果が出ております。
そこで、(ii) に対して解析を行った結果、非喫煙者に限り肯定的な結果がでました。
僕は、この結果を循環器疾患に対する不顕性炎症による影響である、と解釈しております。








【ワンポイントアドバイス】 

神経難病研究センターの西村正樹教授は、”記憶に残る恩師の言葉(その1)”というタイトルで、

”できる”とか”論文になる”研究をするな
やった実験の1%の内容で論文に出来る人は非常に優秀な研究者だ、50%を超える様な論文は怪しい
考えて実験しろ(何も考えず実験して失敗するのは時間ん無駄)

などと先生がいままでの研究の中で印象深く、研究医コースの学生にも有益であろうと考えられる言葉について語って頂きました。