2017年1月18日水曜日

第25回コースミーティングを開催しました。


演 題: 偶然は運命を知らせるか

発表者: 田中 葵(第5学年)

<発表要旨>
 胎生期の哺乳類の脳では、脳構築に必要な神経細胞およびグリア細胞が大量に産生されるが、発生の段階によって作られる細胞の種類が変化していくことが知られている。そしてこれらすべての細胞を生むとされるのが神経幹細胞である。
耳慣れた単語となった(神経)幹細胞だが、その実態は未知の部分を多く残している。たとえば、集団としての神経幹細胞は確かにすべての神経系の細胞の起源だが、個々の神経幹細胞のヒストリーはどうなっているのだろう。私が調べているのは、ひとつひとつの神経幹細胞の行方である。
ひとつの神経幹細胞を追いかけるためには、それを他から識別するためのラベルが必要だ。ひとつひとつバラバラに割り当てられて、しかも一度ラベルしたら途中で消えることがないもの。そのラベルを追いかければ個々の細胞の挙動を追跡できるのではないか。果たしてそれはいかにして可能か。
プロジェクトの見取り図と実際をお話しようと思います。